百人一首26～50

26　小倉山　峰のもみぢ葉　心あらば

• 声聞く時ぞ　秋は悲しき
• 今ひとたびの　みゆき待たなむ
• 恋ぞ積もりて　淵となりぬる

27　みかの原　わきて流るる　泉川

• 三笠の山に　いでし月かも
• 有明の月を　待ちいでつるかな
• いつ見きとてか　恋しかるらむ

28　山里は　冬ぞ寂しさ　まさりける

• 人目も草も　かれぬと思へば
• 乱れそめにし　我ならなくに
• 雲のいづこに　月宿るらむ

29　心あてに　折らばや折らむ　初霜の

• つらぬきとめぬ　玉ぞ散りける
• 置きまどはせる　白菊の花
• 人には告げよ　あまの釣舟

30　有明の　つれなく見えし　別れより

• 富士の高嶺に　雪は降りつつ
• 今ひとたびの　みゆき待たなむ
• 暁ばかり　うきものはなし

31　朝ぼらけ　有明の月と　見るまでに

• 吉野の里に　降れる白雪
• 世を宇治山と　人は言ふなり
• 身をつくしても　あはむとぞ思ふ

32　山川に　風のかけたる　しがらみは

• 我が衣手に　雪は降りつつ
• 流れもあへぬ　紅葉なりけり
• 知るも知らぬも　逢坂の関

33　ひさかたの　光のどけき　春の日に

• 白きを見れば　夜ぞふけにける
• 夢のかよひ路　人目よくらむ
• しづ心なく　花の散るらむ

34　誰をかも　知る人にせむ　高砂の

• 松も昔の　友ならなくに
• あはでこの世を　過ぐしてよとや
• 我が衣手に　雪は降りつつ

35　人はいさ　心も知らず　ふるさとは

• 恋ぞ積もりて　淵となりぬる
• 花ぞ昔の　香ににほひける
• わが身世にふる　ながめせしまに