推量の助動詞４「べし」

傍線部の助動詞の意味を答えよう。

「この人々の深き心ざしは、この海にも劣らざるべし。」

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主語が三人称なので、正解は推量。

傍線部の助動詞の意味を答えよう。

「財多しとて頼むべからず。」

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「ず」は打消なので、正解は可能。

傍線部の助動詞の意味を答えよう。

「なんぢら（このことを）よくよく心得べし。」

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主語は二人称でお前たちと呼びかけているので、正解は命令。

傍線部の助動詞の意味を答えよう。

「宮仕へに出し立てば、（私は）死ぬべし。」

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主語が一人称なので、正解は意志。

傍線部の助動詞の意味を答えよう。

「家のつくりやうは夏をむねとすべし。」

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主語は二人称で、命令しているわけではないので、正解は適当か当然。

「いとほしみある（　　）けるをば、…」の空欄には助動詞「べし」が入る。正しく活用させて記せ。

（中央大『今鏡』）

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「ける」は過去の助動詞「けり」の連体形。「けり」は連用形接続なので、上につく「べし」は必ず連用形になる。「べし」の連用形は「べく」「べかり」の２種類だが、下が助動詞なので、補助活用の「べかり」が正解。

「釈空海などいへる人こそ、恥ぢ顔（　　　）。」の空欄には、形容詞「すくなし」に助動詞「べし」が接続した文節が入る。文法的に正しい形を作り、すべてひらがなで記せ。

（早稲田大『たはれ草』）

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「べし」の接続は終止形（ラ変型なら連体）。しかし、形容詞が助動詞に接続する場合は、補助活用（＝ラ変型）なので、連体形に接続することになり、「すくなかるべし」となる。

そして、係助詞の「こそ」があるので、文末は已然形になる。

よって、正解は「すくなかるべけれ」。

「あやしき世界にたてまつりべかりしに……」の傍線部の文法的説明として最も適当と思われるものを次の中から一つ選べ。

（立命館大『源氏物語』）

• 強い推量

• 断定

• 存続と推量

• 完了と推量

• 強調（係助詞）

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「べし」の意味は、「スイカ止めて」（＝推量・意志・可能・当然・命令・適当」。この「推量」は「む」よりも強い推量です。

他の選択肢を見ると、どれも「べし」の意味ではないので、「強い推量」が正解です。

「弓をひくにも、肩を並ぶべきやからもなし。」の傍線部の用法として最も適切なものを次の中から一つ選べ。

（愛知教育大『御伽草紙』）

• 推量

• 意志

• 当然・適当

• 可能

• 命令・勧誘

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「やからもなし」の「なし」が打消。打消と一緒に用いられる「べし」は「可能」になりやすい。「可能」で訳して確認してみると、「弓を引くにも、肩を並べることができる連中もいない」でおかしくありません。よって、「可能」が正解です。

「今日われ両頭のくちなは_※見ければ、明日まで命のぶべからず、といいひけるを、……」の傍線部の訳として最も適切なものを、次の中から一つ選べ。

※くちなは：蛇

（早稲田大『実話教童子教諺解』）

• 自分の命について何かを述べている余裕などないだろう

• 自分の命を持続させることはとても不可能だろう

• 自分も他人も命を取られることになるのだろう

• 他人の命にたいして責任をとるわけにはゆかないのだろう

• 他人の命を少しでも伸ばすことにはならないだろう

Answer explanation

「命をのぶ」は「命を延ばす」という意味。「ず」は打消。打消と用いられている「べし」は「可能」が正解の確率が最も高いです！

訳してみると、「今日、私は二つの頭がついている蛇を見たので、明日までに命を延ばすことができないと言ったところ……」でおかしくありません。よって「可能」が正解です。