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舞姫 ダイジェスト

舞姫 ダイジェスト

Assessment

Presentation

World Languages

9th - 12th Grade

Practice Problem

Hard

Created by

山本大悟 山本大悟

Used 39+ times

FREE Resource

5 Slides • 9 Questions

1

​ ためらいもなければ、含みも①曲折もない、そんな単純な物言いがあふれている。思考を停止したまま、不満や不安の強度を単純に高めるだけの、そんな粗雑な物言いが。例えば「勝ち組・負け組」というような、ワン・フレーズのイメージ語、それが人々の意識をさらってゆく。それは、ワン・フレーズで言い切られるものであるがゆえに、屈折もなければ否定による媒介もない。つまりは「極・単」(ごく単純)このうえない。

 屈折も否定による媒介もない思考には、他の人々の思いや感じ方への過剰な同調はあっても、奥行きはない。周りから期待されている思考や感覚の型にすっとはまらないもの、あるいはそれからはずれるものを認めつつ、それらとじっくり①すり合わせを行う、そうしたためがない。このことを、②思考に肺活量が足りないと言いかえてもよい。では、思考のその肺活量とは何か。それは、いますぐわからないことに、わからないままつきあう思考の体力と言ってもよいし、あるいはすぐには解消されない③葛藤の前でその葛藤にさらされ続ける耐性と言ってもよい。

2

Multiple Choice

第一段落 嗚呼いかにしてかこの恨みを銷せん

誰に対しての恨みか。選択肢から選べ

1

留学生仲間

2

エリス

3

天方大臣

4

相澤謙吉

3

​ けれどもこの方法を社会の現実に適用すれば大変なことになる。変動期にある社会は、さまざまな⑥構造的な問題を内蔵している。これまでの尺度では測れないような困難な問題をである。そのような複雑な問題に直面したとき、まずはわかるところから対応するというのならまだしも、いま起こっている理解困難な問題、その本質が誰にもまだ見えていない問題を、自分がこれまでに手に入れた理解の方式で無理やり解釈し、ゆがめてしまうというのは最悪の対処の仕方であろう。

 わかっているものだけで解釈するというこのことが、先に述べた「極・単な思考」を招きよせる。しかし、社会の複雑な現実を前にして⑦私たちが働かせるべき頭というのは、すぐにはわからないけれども大事なこと、それを見いだし、そしてそのことに、わからないまま正確に対処するということだ。

4

Multiple Choice

第二段落 豊太郎が西に航せし来る都、伯林。

伯林の読み方は?

1

ウンテルデンリンデン

2

ドイツ

3

ベルリン

4

パリ

5

​ 

 まず、⑧政治的な思考について。政治的な判断はきわめて流動的で不確定な状況の中でなされる。しかし、そうした対処自体が関係国の思惑を刺激し、事態はいっそう複雑になってくる。国内政策であれば、さしあたって不可欠の政策AとBがあるとして――例えば景気刺激と構造改革という、相反する政策――、いずれを先にするかでAとBのそれぞれの政策としての実効性は大きく変じる。政策がおかれる状況自体が大きく変化してしまうからである。だからAに先に手をつけるのか、Bを先に実行するのか、それを手遅れになることなく決定しなければならない。けれどもいずれが有効か、誰も見通せているわけではない。見通せないけれども決断しなければならないのだ。つまり、結果がわからないまま、わからないことに正確に対応するということ、それが政治的思考には求められるのだ。

 次に、⑨ケアの思考について。病院で、ある患者が非常に深刻な病に陥ったとき、そしてどういう治療と看護の方針をとるかというときに、考えは立場によって大きく異なる。医師の立場、看護師の立場、病院のスタッフの立場、患者の家族の立場、そして何より患者本人の思いと、さまざまな思いや考えが⑩錯綜する。そのうち誰かの意見をとれば、別の誰かが納得しない。つまりここには正解はない。一個の正解がないままスタッフたちは、猶予もなしに治療と看護の方針を決めなければならない。

 最後に、⑪アートの思考について。例えば、制作中の画家には、自分が表現しようと思っているものが何かよくわからない。描きたい、表現したいという衝迫だけは明確にあるが、描きたいそれが何であるかは自分でもつかめていない。けれども、ここはこの色でなくてはならない、あそこはこういう線でなければならないという必然性は感じている。だから画面のある一色だけを別の色に置きかえれば全体が台無しになってしまう。これしかありえないという必然性を追う中で絵はやっと描き終わる。しかしその画業の意味を問われても答えようがない。そういう意味では、曖昧なものを曖昧なままに正確に表現する、一か所もゆるがせにしないで、正確に、これしかないという表現へともたらすこと、これが画家の力量である。

6

Multiple Choice

第三段落 豊太郎が自由なる大学の風にあたって、表に現れた姿とは

最も共通しているものを、以下の中から選べ。

1

まことの我

2

我ならぬ我

3

所動的、器械的の人物

4

活きたる辞書

7

​ 

 □□□□、政治、ケア、描画のいずれにおいても、いちばん大事なことは、すでにわかっていることで勝負するのではなく、むしろわからないことのうちに重要なことが潜んでいて、そしてそのわからないもの、正解がないものに、わからないまま、正解がないまま、いかに正確に対処するかということなのである。⑫そういう頭の使い方をしなければならないのが私たちのリアルな社会であるのに、多くの人はそれとは反対方向に殺到する。わかりやすい言葉、わかりやすい説明を求める。

 

8

Multiple Choice

第四段落 エリスに声をかけた豊太郎

「何故に泣きたまふか。ところに係累なき外人は、かえりて力に貸しやすきこともあらん」

係累なき外人とは誰か。

1

ヴィクトリア座の座頭

2

エリスの母

3

豊太郎

4

エリス

9

Multiple Choice

第五段落 余は一周日の猶予を請ひて

何を請ひたのか、最も適切なものを次の中から一つ選べ。

1

免官が確定となるまでの

猶予。

2

エリスと関係を断つまでの

猶予。

3

郷に帰るか、ドイツに残るか決断する猶予

4

職と寝床を探すまでの猶予

10

​ 

 だが大事なことは、困難な問題に直面したときに、すぐに結論を出さないで、問題が自分の中で⑬立体的に見えてくるまでいわば⑭潜水し続けるということなのだ。それが、知性に肺活量をつけるということだ。目の前にある二者択一、あるいは二項対立にさらされ続けること、対立を前にして考えこみ、考えに考えてやがてその外へ出ること、それが思考の原型なのに、⑮そうした対立をあらかじめ削除しておく、ならしておくというのが、現代、人々の思考の⑯趨勢であるように思われてならない。

11

Multiple Choice

第六段落 

1

ワン・フレーズのイメージ語が世の中にあふれていることを理解すること。

2

問題がどのような複雑さや対立や困難さを持っているかを理解できるようになること。

3

理想の結論からさかのぼって、過程を予測し、推察すること。

4

社会には、困難な問題がしばしば発生する理由を理解すること。

12

Multiple Choice

自分の中で立体的に見えてくるまでいわば⑭潜水し続けるということなのだ

⑭について、最も適切なものを次の中から一つ選べ。

1

目の前にある二者択一にさらされ続けること

2

困難な問題を探し求め続けること

3

わかりやすい言葉、わかりやすい説明を求め続けること

4

顕在意識よりも潜在している意識を引き出し続けること

13

Multiple Choice

そうした対立をあらかじめ削除しておく、ならしておくというのが、現代、人々の思考の⑯趨勢であるように思われてならない。

⑮はどういうことか。最も適切なものを次の中から一つ選べ。

1

問題が自分の中で立体的に見えてくること

2

潜水し続けるということ

3

二項対立にさらされ続けること

4

わかりやすい言葉、わかりやすい説明を求めること

14

Multiple Choice

そうした対立をあらかじめ削除しておく、ならしておくというのが、現代、人々の思考の⑯趨勢であるように思われてならない。

⑯の意味について、最も適切なものを次の中から一つ選べ。

1

とことんまで深く考えること。

2

複雑に入り組むこと、入り混じること

3

物事の進み向かう様子、同行、なりゆき

4

細かく具体的に決めること。

​ ためらいもなければ、含みも①曲折もない、そんな単純な物言いがあふれている。思考を停止したまま、不満や不安の強度を単純に高めるだけの、そんな粗雑な物言いが。例えば「勝ち組・負け組」というような、ワン・フレーズのイメージ語、それが人々の意識をさらってゆく。それは、ワン・フレーズで言い切られるものであるがゆえに、屈折もなければ否定による媒介もない。つまりは「極・単」(ごく単純)このうえない。

 屈折も否定による媒介もない思考には、他の人々の思いや感じ方への過剰な同調はあっても、奥行きはない。周りから期待されている思考や感覚の型にすっとはまらないもの、あるいはそれからはずれるものを認めつつ、それらとじっくり①すり合わせを行う、そうしたためがない。このことを、②思考に肺活量が足りないと言いかえてもよい。では、思考のその肺活量とは何か。それは、いますぐわからないことに、わからないままつきあう思考の体力と言ってもよいし、あるいはすぐには解消されない③葛藤の前でその葛藤にさらされ続ける耐性と言ってもよい。

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